DXニッコールの将来を考える
2006-04-18


ニコンはデジタル一眼レフカメラでは、DXフォーマットという23.7x15.7mmサイズの撮像素子を使っている。このDXフォーマットでは、同じ焦点距離のレンズでも、従来の135(35mm版)用レンズよりも画角が狭くなる。1.5倍相当になる。例えば28mmレンズをDXフォーマットのカメラで使うと、135で42mmレンズを使ったときの画角に相当する。なので、広角側を写したければより焦点距離の短いレンズが必要となる。

そこでニコンはDXフォーマットに特化した、イメージサークルの小さい「DXニッコール」を発売している。DXニッコールは、最初からデジタル一眼レフ用に開発しているので、デジタル一眼レフで性能を発揮できるのだが、弱点がある。それは、DXフォーマットよりも大きいフォーマットに対しては、当たり前だが周辺が写らないことだ。だから銀塩の135システムにDXフォーマットは基本的に使えない。

問題は、ニコンのデジタル一眼レフのフォーマットがDXフォーマットよりも大きくなったときに、DXニッコールではイメージサークルが足りずに使えなくなるということだ。実際にはニコンはキヤノンのように中途半端なサイズをそろえたりはしないだろうから、「135フルサイズ」の撮像素子を持つニコンデジタル一眼レフが出たときに使えなくなって困るのではないか、というのが不安要素だ。

ニコンは「135フルサイズ」を出すとも出さないとも言っていないから、出るのか出ないのか分からない。しかし、実際にKodakからかつて135フルサイズのニコンFマウントデジタル一眼レフが発売されていたことから、ニコンFマウントでの135フルサイズは全く不可能というわけではないはずだ。可能性はある。

そこで、もし、ニコンが135フルサイズデジタル一眼レフを出してきた場合に、DXニッコールは使えなくなってしまうのか。いや、ニコンは救済策を持っていると私は思っている。それは、ニコンD2Xで搭載されたクロップ高速機能だ。このクロップ高速機能は、撮像素子の中央部6.8メガピクセルを使用して、8コマ/秒の高速連続撮影を可能にする機能で、装着レンズの焦点距離2倍相当の画角で撮影できるものだ。

このクロップ高速機能を、135フルサイズ撮像素子搭載デジタル一眼レフの中央部のDXフォーマット相当部分だけをクロップするようなものとして搭載すれば、フルサイズデジタル一眼レフにDXニッコールを装着しても快適に使用できるはずだ。135フルサイズ機にDXニッコールを装着したときにはクロップ高速機能を使うようにすれば、135フルサイズデジタル一眼レフも従来のDXフォーマットのデジタル一眼レフのように使える。クロップ高速機能はそういう可能性を秘めた技術だと私は思っている。もっとも、これは私の憶測であって、実際にはそうならないかもしれないし、なにか技術的な制約があるかもしれない。

はてさて、ニコンは135フルサイズのデジタル一眼レフを出してくるのか。出すとしてそれはいつのことなのか。私には分からない。135フルサイズのカメラが必要なのかどうかも、他社との関係や撮像素子供給元との関係やDXフォーマットの広角側レンズラインアップなど複数の要素が絡み合っているので、簡単には予測できない。ただ、言えるのは、DXニッコールはそんなに先の無いレンズシリーズじゃないよ、ということなのだ。私の願望と妄想かもしれないが(笑)。

[ニコン]
[カメラ・写真]

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