2006年11月22日にリリースされた、GR DIGITALのカメラファームウェアVer.2.20に、マクロ時のピントが合わないことがあってそれはファームウェアに起因するという噂がある。ネット上では、リコーのサービスで不具合を確認していて、修正のファームウェアが近々出るとか、応急の対策として前のバージョンの2.10に書き戻すといった情報が流れている。
いずれもリコーの公式のアナウンスではないため、ここではあえてソースを明らかにしないが、たしかに、手元のVer.2.20のGR DIGITALでもピンボケがときどきある。それもVer.2.20にしてからだ。
ただ、巷で言われている不具合は、マクロ時にピンボケということなのだが、私のGR DIGITALの場合は、マクロモードのときはピンボケになったことがない。マクロモード時のマクロ域では極めて正確にピントが来る。ピンボケになるのは、ハイブリッドAF(パッシブ式とアクティブ式併用のオートフォーカス)のときで、ピントを合わせたい被写体(距離1〜2m)の手前に何もないのに、画面全体が前ピンになっていて、画面内すべてに(背景の遠距離も)ピントが合っていないというものだ。いつもそうという訳ではなく、ときどきなる。そういうときでも、マクロモードにすると、ピントは合う。要するに、アクティブ式の測距がときどき非常に手前だと誤認するようだ(1〜2mの距離が被写界深度に入らないのだから相当近距離にピントが来ていることになる)。マクロモードは、近接撮影ができるだけでなく、パッシブ式のオートフォーカスのみになるので、アクティブ式の誤測距の影響を受けない。
ただ、私の場合、ファームウェアをVer.2.10から2.20にするときに、間違って一回2.02にしてから2.20にしているので、それが関係しているかもしれない。自己責任で2.10に戻して様子をみているところだ。Ver.2.10でも2.20ほどではないが、まれに前ピンになるので、年明けにでもリコーに持って行った方がいいかもしれない。ファームウェアではなく、私の個体だけの、アクティブ式の測距に関係したハードウェアの故障かもしれないからだ。
こういう広角レンズでしかも撮像素子が小さいカメラで、背景がボケるというのはそうあることではないのに、Ver.2.20にしてからどうも背景がボケた画像が多いと思っていた。そしてそういう画像は、昼間の屋外ではあまり起こらないのである。屋外では絞り込まれているからかと思っていたが、このカメラは屋外でプログラムオートでもそんなに絞り込まれないので辻褄が合わない。蛍光灯のフリッカーの影響でピンボケになるという情報もある。
また、内蔵フラッシュで露出オーバーになって白飛びするという不具合も巷ではこのファームウェアのせいだといわれている。しかし、内蔵フラッシュで露出に失敗するのは、以前のファームウェアからあって、近接時に内蔵フラッシュ発光5回に1回ぐらいは主要被写体真っ白けの写真を量産している。被写体の距離が揃っている時はこういう失敗は少ない(当たり前か)。これはそういうカメラだと思っていたので(笑)、今回のVer.2.20ファームウェアのせいなのかはわからない。ニコンのスピードライトSB-30で外部自動調光したほうが失敗が少ない。
なお、この件に関しては、リコーの公式アナウンスはまだないため、ピンボケが気になる方は、勝手にファームウェアを2.10にするのではなく、リコーのサービス機関に相談されることをお勧めする。この記事をご覧になってファームウェアを以前のバージョンに戻されても私は責任を負えないので念のため。
前回、カレンダーの不公平な配布方法について頭に来て(苦笑)、もうGR BLOGは見ない宣言をしたので、この記事をリコー公式GR BLOGにトラックバックしようかどうか迷った。しかし、この件はGR DIGITALを使う上で改善してもらわないと困るので、トラックバックすることにした。
【追記:2006年12月27日】
GR DIGITAL用ファームウェア Ver.2.21がリリースされた。
ソフトウェアダウンロード > GR DIGITAL
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