議論無しに先行するPlaceEngineに恐ろしさを感じる
2007-11-13


禺画像]

デジカメWATCHのサイバーショト DSC-G1の測位機能を試すをみて、ああ、ついにデジタルカメラにまでPlaceEngineが搭載されてきたか、と前から漠然と抱いていた不安感がさらに大きくなった。

ソニーのPlaceEngineというサービスというか技術は、私の理解だと、無線LANのアクセスポイントのMACアドレスを収集してそれを位置情報と結びつけて管理し、受信したMACアドレス情報から現在地を割り出すものである。MACアドレスはネットワーク機器のハードウェアに原則として世界中で唯一の固有番号が割り当てられている。

それで、全国に無数ある無線LANアクセスポイント(いわゆる親機)のMACアドレスをどうやって収集しているかというと、最初はソニーの人が全国というか全世界を回ってせっせと集めたのだろうが、以後は、PlaceEngineを使って自分の位置を調べる際に受信した無線LANアクセスポイントのMACアドレスを、PlaceEngineのサーバーに送ってどんどん登録していっているようなのである。PlaceEngineを使う人が増えれば増えるほど情報が蓄積されて正確になるという。DSC-G1の場合はカメラ内に情報を蓄積するのでPlaceEngineサーバーに情報は送らないようだ。

GPSが使えないような場所で位置がわかるというのは素晴らしい技術だとは思うが、勝手にMACアドレスと所在地とを結びつけて登録されてしまうところになにか怖さを感じる。わたしなどは24時間無線LANのアクセスポイントを付けっぱなしにしているので(皆さんもそうされていると思う)、PlaceEngineを使っていなくても登録されるというところがなんか嫌というか不安である。

独立行政法人産業技術総合研究所の高木浩光氏がこの問題を分析してくれている。
PlaceEngineのプライバシー懸念を考える(高木浩光@自宅の日記)
ユビキタス社会の歩き方(2) ストーカーから逃れて転居したら無線LANを買い換える(高木浩光@自宅の日記)
デイリーポータルZ 記者の家を探しに行く(高木浩光@自宅の日記)
自分の無線LANがPlaceEngineに登録されていないか確認する方法(高木浩光@自宅の日記)
無線LANのステルス機能ではPlaceEngineに登録されるのを阻止できない(高木浩光@自宅の日記)
ユビキタス社会の歩き方(4) 他人から貰う無線LAN機器に警戒する
ユビキタス社会の歩き方(5) [重要] 自宅を特定されないようノートPCの無線LAN設定を変更する(高木浩光@自宅の日記)
位置特定につながるSSIDの割合は約17% (東海道新幹線沿線2007年8月調べ)(高木浩光@自宅の日記)
PlaceEngineの落とし所について考えてみる(高木浩光@自宅の日記)
AOSSの普及が進むとSSIDで検索されてしまう?(高木浩光@自宅の日記)
【追記:2007年11月20日】
続・ユビキタス社会の歩き方(5) Windows以外の無線LAN機器の場合(高木浩光@自宅の日記)
【追記ここまで】


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