デジタル一眼レフのフォーマットサイズ論争
2006-04-26


マミヤがカメラ事業から撤退するニュースを受けて、大型撮像素子を採用すると企業が傾く(例外キヤノン)という説が出てきた。元麻布春男の週刊PCホットライン-マミヤのカメラ事業撤退とムーアの法則の関係だ。

上記記事は、撮像素子サイズ(フォーマット)が小さいとノイズが多くなるという点と、一眼レフではフォーマットがあまりに小さいと光学式ファインダーでピントを確認するのが困難になる(拡大しても元が小さければ限界がある)という点を看過しているように思う。光学式ファインダーを捨てるのなら、一眼「レフレックス」という機構になんの意味があるのかと思う。記事の筆者は一眼レフのヘビーユーザーではない感じがする。

GR Digitalは、1/1.8インチ撮像素子を採用しているが、ノイズという点では、APS-CサイズのニコンD50に及ばない。撮像素子サイズが、レンズ性能や画像処理エンジンの優劣よりも影響している。ただ、GR Digitalの場合、28mm相当の画角を使いたい人にとっては、歪曲が無く解像度の高いレンズや、ポケットに入る高画質という点でD50に勝っているので存在意義があるし、このノイズも自然な感じのノイズなので気にならない。この自然な感じのノイズというのが「GRエンジン」の特長なのだろう。

ところで、写真家の赤城耕一氏といえば、各社のカメラ・レンズを多数所有し、カメラやレンズのレポートでカメラ雑誌によく登場されている。今月の日本カメラ(2006年5月号)で、赤城氏が意外なことを告白されていた。赤城氏はなんと、35mmフルサイズ用のレンズしか持っていなくて、フルサイズより小さいフォーマット専用のレンズを1本も持っていないというのだ(オリンパスデジタルズイコーを除く)。その理由として、「デジタル一眼レフの撮像素子のフォーマットサイズが完全に定まっていないのでは、という不信感からだ」と書いている(同誌157頁)。

こういうことをはっきりと書く赤城氏には好感が持てるなぁ。わたしは、ファインダーの見えが改善されて、きちんとレンズラインナップが揃うならば、APS-Cサイズでも仕方ないと思う。しかし、現状はファインダーの見えも悪いしレンズも揃っていないし、できれば古いレンズも元々の画角で楽しみたいから、135フルサイズを待望している。

【追記】
写真家の那和秀峻氏が元麻布春男氏の記事に反論しているようだ。
[URL]の2006年4月24日(月)の項参照。
上記サイトは、月が替わるとバックナンバーに格納されてURLが変わるようだ。今月は上記URLで見られる。バックナンバーに格納されたのでリンク先を変更した。那和氏の日記TOPは[URL]2006年5月3日修正)

那和氏のサイトは今日初めて見たのだが、なかなかいいことを言っているなぁ。同じ考えのところも多くて、「そうだ、そうだ。もっとメーカーに言ってやれ!」と思った。

[カメラ・写真]

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