ついでだから、ニコンF100の中古価格が低いことをちょっと考えてみたい。もうフィルムカメラ自体が暴落しているからF100が2万円前後でも全然不思議ではない。ただ、コンパクトで動体のAF性能もよく、電磁絞り以外は最新レンズの全機能(AF-Sレンズ、VRなど)を使えるフィルムカメラなのにどうして中古価格に反映しないのか。
ひとつはファインダーだ。いまのデジタル一眼レフに比べたら相当いい方のファインダーだが、フィルムカメラのなかではそんなにピントの山が分かる方ではない。明るいスクリーンだがキレが悪い感じだ。それにファインダー倍率が0.70倍と低いのもピントの分かりにくさに関係している。DK-17Mでファインダー像を拡大して使っているが、それでもAi Nikkor 50mm F1.2のピントの山はマット面では分からない。フォーカスエイドのみが頼りだ。50mm F1.4だとなんとか分かる感じ。
マグニファイングアイピース DK-17MをニコンF100につける(追記あり) ― 2007年01月25日
もうひとつは、多機能で便利だが楽しいカメラではないということ。手巻きでゆったり撮る感じでもないし、ファインダーでピントを合わせて楽しいわけではない。マグネシウム合金のボディで質感は悪くはないが、夜中にウィスキー片手になで回すような感じでもない(キムタクは夜中にニコンのデジタル一眼レフをなで回しているかもしれないが-笑)。要するにF100は現代的仕事カメラなのである。そういうポジションはもはやデジタル一眼レフが占めている。私はデジタル一眼レフをいまだに購入していないので、いまだったらデジタル一眼レフで撮るべきシチュエーションでもフィルムで撮るからF100は重宝しているが、ほとんどの人はデジタル一眼レフとMFフィルムカメラの組み合わせだろう。F100はコンパクトでいいカメラなのだが不憫なカメラだのう。私はまだまだF100使うぞ。
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