ニコン チャンネル:知られざるニコンの歴史に、「F3H(ハイスピード)」掲載
2013-09-20


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ニコン チャンネル:知られざるニコンの歴史に、「F3H(ハイスピード)」が掲載された。
ニコン F3H(ハイスピード)(ニコンチャンネル:ニコンの知られざる歴史)
ニコン F3H(ハイスピード)(ニコンチャンネル:ニコンの知られざる歴史)(2016年10月26日のInternet Archiveのキャッシュ)
【追記:2024年7月30日】ニコンのサイトリニューアルで元の記事が削除されてしまっているので、2016年10月26日のInternet Archiveのキャッシュにリンクを張った。
【追記ここまで】

 「ニコンF3H(ハイスピード)」は、ニコンが1996(平成8)年6月に、報道機関向けに発売したフィルム一眼レフカメラである。「F3H」は、ニコン(当時:日本光学工業)が1980(昭和55)年に発売した「ニコン F3」とモータードライブ「MD-4」をベースに、秒間13コマの高速連写を可能とした。  「F3H」の回路設計を担当した後藤哲朗(ニコンフェロー、後藤研究室室長)と、メカ設計を担当した池野智久(映像カンパニー開発管理部)のコメントを交えて解説する。

おー、ゼネラル後藤氏キター!お元気そうでなによりですな。

「F3」を選んだ理由

「F3H」が発売された1990年代後半、ニコンには「F3」の後継機である「F4」、「F5」をベースに高速連写モデルを開発する選択肢もあった。あえて「F3」を選んだ理由を池野は語った。

「F4やF5と比較して、F3は構造がシンプルで、手を加えることが容易であること。また、プロユーザーの酷使に長年にわたり耐えてきた実績もあり、さらに、モータードライブMD-4に、当時でも考えられないほどハイパワーなモーターが使われていたことも大きな理由です」

そうか、MD-4のモーターはそんなにパワーがあるのか。なんかいい活用方法ないかなぁ。

カメラとモータードライブの予測的制御

一般のカメラは、シャッターボタンが押されると、カメラ内部でシーケンスとよばれる一連の動作を順番に行い、撮影完了となる。「F3H」では、このシーケンスにも手が加えられた。

池野は「秒間13コマのためには、ひとつの動作が完了してから次の動作をしたのでは時間がかかりすぎなのです。カメラのメカは、命令信号を受けてから実際に動き出すまでにわずかに時間がかかります。この時間を短縮するために、メカに早めに命令を出す、『見切り発車』のような制御を採用したのです」と説明した。

通常のカメラではフィルムの巻き上げは、シャッターの動作が終了してから行われる。しかし、「F3H」ではシャッターの動作終了の前に、カメラからモータードライブに「フィルムを巻き上げて良し!」という命令信号が出る。また、フィルム巻き上げが終了する前に、モータードライブからカメラに「シャッターをレリーズして良し!」という命令信号が出るようになっている。

つまり、「F3H」ではカメラとモータードライブがお互いの動作を予測して制御し、一部の動作をダブらせることで1コマの撮影に要する時間を極限まで短縮したのである。

「もし、メカの動きが少しでも不安定だったら、予測して動かすことなど、とてもできません。F3のメカの安定性、正確さゆえにこのような制御が実現したのです」と後藤が付け加えた。

ここがニコンの真骨頂だよね。こういうことができるのがニコン。これを活かせるようなカメラを今後も出して欲しい。


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